晴の思い出



いつの間にか朝になっていた。


きっと泣き疲れて眠ってしまったんだろう。


きちんと布団がかけられていた。



トントンッ、ドアを叩く音がする


「…希美?朝よ。」


悲しくても朝が来るのは本当なんだ。


心にぽっかり穴が空いてる。


私は初めて学校を休んだ。




マリアのお葬式の日、

行きたい気持ちと行きたくない気持ちでごちゃ混ぜになった。


行けばマリアに会える。
でもマリアの死を受け入れられない。


けど行かなかったら後悔するかもしれない。


"後悔だけは絶対にしない"


そうだ、私は約束したんだ。


私が約束を破る訳にはいかない。



お母さんと一緒にマリアの所に行くことにした。


マリアにもらったネックレスを付けて。




マリアはお墓に入る時、防護服を着ないで太陽の下にいた。



良かったね、マリア。

太陽がすごく近くにあるよ。



お葬式の後、マリアのお母さんが手紙をくれた。


マリアが私に書いた最後の手紙だ。



受け取ってから家に帰るまで、

ただただ、空を見ていた。





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