だけど、いつまでたっても先輩たちと私の間には薄いガラスのようなものがあった。

彼等の姿や言動ははっきりと分かるのだけれど、もう一歩踏み込もうとするとガラスが邪魔をする。

私の住んでいる県には大学が少なく、数校だけある私立大学は名前を書けば誰でも合格するようなレベルの大学ばかりである。しかし、唯一県名を冠した国立大学がある。もちろん私達の住む県で最も偏差値の高い大学だ。地元の高校生の多くがその大学に合格したいと思っている。その大学は教育学部がメインの大学であり、毎年多くの教員を排出している。