いちごみるくちょこ

「本当?」


「本当、本当。それにさ・・・」


「それに?」


「ここでいるとさ・・・嫌なこと全部忘れるんだ。」


「嫌なこと?」


「うん。今日父さんに怒られた!もっと勉強しろってさ!」


「かーくんいっつも勉強してるじゃん!夏休みなのに1日3時間もしてるんでしょ!?それよりいっぱいなんて無理だよ!!」


「お医者さんになるにはもっと頑張らなきゃいけないんだ。父さんみたいに有名な医者にならないといけないし。戸田家の家業をつぐにはもっとがんばらないと・・・さ!」


「わたし難しいことわかんないけどさ!応援する!」


「ありがとう!あと俺、もう一個夢あるんだ。」


「何?」


「永愛の病気を治すこと!それから永愛を一生守るから!」

それを聞いて思わずわたしは笑みがこぼれた。

素直にとても嬉しかったんだ。

「ふふっ!お願いします!未来のお医者様!」


「まかせとけ!あー!風が気持ちいい!!」


「ねえ!わたしもそこに登りたい!」


「永愛が?お前あんまりむちゃしちゃいけないんだろ?」


「だから1回だけ!お願い!上がらせて!!」


「どうせダメっていっても聞かないんだろ?どーぞ、お姫様!」


彼方は下の方まで降りてきてくれて手を差し伸べてくれた。


「ありがとう!!」

わたしは彼方の手をつかんで上に引き上げてもらった。


「2人も乗ったら枝折れるかもしんないから俺、降りるから!」


「うん!っと!!登れたぁ・・・」


「ど?」


「ほんと・・・すっごいいい気持ち・・・涼しいしなんか・・・すっきりする!」