「一人じゃなんも出来ねーのお前らだろ。
人に同意求めて自分だけの意見ないわけ?」


「もういいよ、帰ろ?」


そういって掴まれたままの手首をぐいぐい引っ張った。


斉藤龍は軽く舌打ちして教室を出ていった。











外にでた。
すっごい寒い。
マフラーが欲しいなー…


「ごめん。」

いきなり斉藤龍に謝られた。


「なんで…?
謝るのわたしだよ。」


「もうちょい早く行ってればよかった。」


「平気だよ。
あれぐらい。
ごめんね斉藤龍。
あとありがとう。」


「…」

斉藤龍はすこし下を向いてだまった。


「あいつ…名前なんだっけ。
黒田?」


黒田さん…?


「うん、黒田さんがどうしたの?」


「俺靴箱の近くの空いてる教室で寝てたんだよ。
じゃああいつに起こされて『そろそろいってあげて。』って。
『わたしはそんなキャラじゃないから。』とかいってどっかいっていってみたらお前がああなってた。」


黒田さん…
わたしがああされるの分かってたんだ…


「あいつ根から悪い奴じゃねーんじゃねーの?
あいつに言われなかったら俺もっと遅くなってた。」