いちごみるくちょこ

ちょっとして黒田さんが戻ってきた。


「はい、山下さんのオレンジ。」


わたしの前にオレンジジュースの入ったグラスをおいた。


「ありがとう…」


「えぇ。さっさと飲んだら?」


そういってジュースを飲むことをせかした。


「あ、じゃあいただきます。」

グラスを持ち上げるとジュースの違和感に気づいた。


「あれ…?
なんか…シュワシュワしてる…?」


「あらごめんなさい。
まちがえて炭酸のオレンジ入れてきたわ。」


そう言いすました顔で自分のグラスに入った水を飲んでいる。

なんで水…?
あ、ダイエット中って言ってたっけか。

じゃなくて!
いやべつにいいんだけど炭酸で…
あんまり好きじゃないけど…


「あ…分かった。
間違えちゃったんだよね…?」


「何よ。
疑ってるんだ?わざとだって。」


「いや!!違う!違うよ…
あ、飲むね!」


そういってわたしはグラスに入った炭酸のオレンジを飲んだ。


ほろ苦かった。


「…じゃ、わたし行くから。」


わたしが飲んだとこを見るとまたさっきいたテーブルに戻っていった。


何がしたかったんだろう……



また一口グラスを口にした。