いちごみるくちょこ

そのとき誰かが斎藤龍の肩をバシッとつかんだ。


うわ!だれ!?


「斎藤ー?なんで帰るのかなー?」

亜美ちゃんだった。

「ちっ自由参加じゃねーか。
帰るんだよ。」


亜美ちゃんの手を振り払いまたドアに手をかける。



亜美ちゃんも負けじと斎藤龍の肩をぐいっと引っ張った。


「いい加減にしろや斎藤。
女になに暴力ふるってんだコラ。
あたしは打ち上げを盛り上げるねで忙しい、その間永愛が男に絡まれる、そのとき誰が助けんの誰が!!!」


亜美ちゃんが斎藤龍の耳元でわたしに聞こえないように喋る。


「あいつも今日のことでちょっとは学習してるから大丈夫だろ。」


斎藤龍の声はしっかり聞こえる。


あいつってわたし?
次は亜美ちゃんが斎藤龍にしゃべりかける。


「うちのクラスの山本、浦安、五組の安田、林に青木!」


「あぁ?誰だよ。」

「永愛に告白してきた奴らの名前!
打ち上げ会参加する奴だけでもこんなにいるの!まだ永愛のこと好きな奴いっぱいいるだろうね。
コレでもって帰るって言うのか?え?」


「……」