最悪だよ。本当に…
それに、あんな風に部屋を出てきたし泣いてたのはきっと気づかれた
これじゃあ、しばらく紫音さんとは普通に出来ない。別居する!なんて痴話喧嘩じゃなくなったよ……
せっかく…長い間擦れ違った気持ちが通じたって言うのに…
また、離れていく…今日は短時間でそんなことばかり
「………」
もう、なんか…いやだ…
胸が苦しくなり、溢れる涙を手でぬぐい
声を押さえながら、再び顔を伏せていると―…
「あ…あの…」
「………?」
「…えっ…と…」
「…え?」
目の前から、以前…一回だけ聞いたことのあるような声が響く
あれ、この声って……
「………あ」
頭を傾げ、ゆっくりと顔をあげると、目の前の声の主がニコリと笑う
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