「…ツヴァイ、何をするんだい?」


「紫音様、行ってらっしゃいませ」


「…は?」

「仲直りをするまで、戻らなくて結構ですので」


「何をいって…早く片づけろとツヴァイが言っていたじゃないか」


「そうですが、あのようなことを言われた凜様が不憫で仕方がありません。あ、ついでに朝のことも謝ってくださいね」


その言葉に、紫音は僅かに顔を歪める


「…ツヴァイ…まさか、凜から聞いたのか?」


「はい」


「………っ」


額を押さえ、ひどくうなだれたようにため息をはく紫音


「あのですね、いいですか?紫音様?先ほども言いましたが…」


「わかった。わかった。行く。だからそれ以上言わなくてもいい」


「………」


ガタンと立ち上がり、紫音は首を左右に振りながらしぶしぶ部屋を出ていく



「はい。それでいいです。仕事は私が片付けますので、ごゆっくり」



そんなツヴァイの言葉を背中に、紫音は凜を追いかけるために部屋を出て行ったのだった―…