そう言う翼くんは、いつもの優しい翼くんではなかった。 冷たく、軽蔑するような目であたしを見る。 「……あの、翼くんっ……」 「もう俺に…話しかけんな」 「お願いだから……話聞いてっ…」 あたしが好きなのは、翼くんなのっ……。 「翼くっ……」 「お前なんか……好きじゃねぇよ」 ………そう言って去っていく翼くんを、あたしは涙を流して見ることしかできなかった。