うさぎ と くま の物語 (完)

 

「――――…」


篠田センパイは、何も言わない。


…と思った瞬間、篠田センパイのハァ、というため息が聞こえてきて、私は身体をぴくっとさせてしまう。


―――き、傷付けた…!?


言わなきゃ良かった…!


「―――――片岡」


篠田センパイの声に、目をきゅっと瞑る。


「ほんと、片岡って、ビックリすること言うよな?」


「へ?」


篠田センパイの思わぬ言葉に、私は顔を上げた。


その時、私の目に映った篠田センパイの表情は…


今にも笑い出しそうな様子だった。


手で口元を押さえて、堪えてる様子で。