うさぎ と くま の物語 (完)

 

えっ…えぇぇぇ!?


待って待って待って~っ!


もう、何が何だか、頭の中がパニックだ。


私は篠田センパイに引っ張られるままに、後ろを振り向きつつ、よろよろと歩く。


遠ざかる梨乃センパイと佐崎センパイ。


佐崎センパイは余裕な表情で、私に手を振っていた。


梨乃センパイは恥ずかしそうに手のひらをパッとこっちに向ける。


きゃ~!


ホントにそうなの~!?


ヤババババ!


二人の姿が見えにくくなった時、急に篠田センパイの足がピタッと止まった。


「ひゃ!……あ、あれっ?」


気付けば、壁際まで来ていた。