様子が知りたくて、私は中に入ろうとドアに手をかけた。
「―――しの…」
「全く…そんなこと言うくらいなら、こんなことさせないでよ。コウタ」
「―――!」
梨乃センパイの言葉に、私はそれ以上動けなくなってしまった。
………え?
コウタ…?
……って、篠田センパイの名前だよね?
梨乃センパイの口から聞いたことのない、呼び方。
いつもと違う、呼び方。
二人の時は、そう呼んでるの…?
篠田センパイの怪我にいち早く気付いたのも、梨乃センパイ…。
―――もしかして、二人って……………。
私にとって、嫌な考えが頭をよぎった。

