うさぎ と くま の物語 (完)

 

「副部長…」


「うん」


「………こってんぱんに、やっつけちゃいましょーねっ!」


私は前に向かって拳を振る。


その動きに、篠田センパイは頬を緩めてくれた。


「…だな。」


「―――!?」


私の目の前に伸びてきたのは、篠田センパイの手。


そして、私の頭の上にそっと触れた。


「ありがとう」


「え…いや…!」


か、顔…!!


どんどん熱くなっていくのがわかる。


篠田センパイに触れられているという事実が、信じられなくて。


だって、今までこんなことされたことないし…!


頭の中が真っ白だ。