うさぎ と くま の物語 (完)

 

「……うさぎ。良かったね」


梨乃センパイがボソッと呟いた。


「あっ、ありがとうございますっ」


やだ、泣きそう…!


「…………でも…それとこれとは別!うさぎは私のだから♪」


「へっ?」


「よーし、戻ろ~っ!ほら、佐崎も!」


梨乃センパイは佐崎センパイの腕を取って、ルンルンと歩き出す。


自然と、篠田センパイと私が二人横に並ぶ。


あれ…梨乃センパイ、もしかして二人にさせてくれた、のかな?


「……何か、急に騒がしくなったな」


篠田センパイは困ったような表情で笑った。


「ははは~…ですね」


私も同じように笑う。


「うん、でも、助かったかな…」


「え?」


篠田センパイの足がピタッと止まった。