「あ、あの…」 トクン 「――――うん」 トクン 「えぇっと…」 トクン 「―――――うん」 トクン 嬉しい。 「センパイの心臓の音…速いです」 「………それは恥ずかしいな…」 「でも……私も同じ。ドキドキしてます」 「……………」 もそ、とセンパイの胸から顔を離して、センパイの顔を見上げた。 目が合う。 ――――あ。 「顔、真っ赤。」 篠田センパイはそう言って、笑った。 …先越された。