観覧車を降りたあと、今すぐに帰りたいと駄々をこねる璃鶴の意見を受け入れ今、車に乗っていた。




「璃鶴、どうしたの? さっきから、様子が変だよ?」

「ちょっと、疲れただけ」




そっけなくそれだけかえして、窓の外を眺めている璃鶴。




「疲れただけ、じゃすまないでしょ? 何かあったなら、話してよ?」

「やめとけ、そいつは何も言わないぜ」

「そうだよ」

「お兄ちゃん達は璃鶴の事を昔から知ってるの?」




私はお兄ちゃん達の忠告をスルーして、気になっていたことをたずねた。




「まぁ、昔からといえば、昔から璃鶴の事は知ってる」

「いろいろ、訳ありだからね」

「余計なこと、話してんじゃないわよ」




答えてくれたお兄ちゃん達に対し璃鶴が冷たい言葉をはなつ。




「訳ありって?」

「聞かなくていいわ、ほっときなさい」




璃鶴はそういうとまた、黙ってしまった。




璃鶴、どうしたんだろう?
私達が何かしたのかな?
だったら、謝らないと……!
せっかく、来たのに、楽しめなかったのかな?




そんな事を思いながら璃鶴を見つめる。