そして、今は遊園地の絶叫マシーン巡りをしようと長蛇の列に並んでいた。
「カル、ジェットコースター早く乗りたいね♪」
「い、いやぁ。僕はやめとくよ」
カルはそんな事を言い出す。
「なんでー?」
「僕なんかが乗ったら、風で吹っ飛ばされちゃうよ?!」
「えー? じゃあ、人間の姿になれば?」
そう突っ込むと、うっ、と唸った。
もしかして……
「絶叫系ダメなの?」
「…………」
「無言って事は肯定ととっていいよね?」
カルは恐る恐る頷いた。
「そっかぁ、じゃあジェットコースターはやめとこっかぁ」
「えっ? 別に乗ってきていいよ?」
「いいよぉ。それよりべつのとこいこー!」
私は半分くらいまできていた長蛇の列を抜けた。
「いいのに…」
「カルも一緒がいいし…あと、あそこの列の先にお兄ちゃん達が居たの」
「えっ……?」
「カル、気づいてたでしょ?」
私が気づいたのはたまたまだった。
たまたま、目についた。
けど、カルはすごく観察力がいいし、知っている人がある程度の距離に居れば感じることができる、らしい。
「気づいてたよね?」
私はもう一度そう言った。
すると、カルは弱々しく頷いた。


