「地図、僕にも見せて?」
「うん…というか、道案内お願いします」
そう言って、カルはそっと地図の上を小さな、それでも立派な綺麗な羽をひらめかせて飛びはじめた。
これが、ここでとか、さっきここは通ってとか…そのようなことを言いながら地図と格闘しているカル。
「どう? 分かりそう?」
「もうちょっと」
その小さな体で、どうしてこの地図をみて、場所把握ができるんだろ…?
私にもその能力を分けて欲しいよ……
「わかったよ! こっちだ」
カルが指差した道を歩いていくと、そこはイルカの泳ぐ水槽だった。
「カル、すごい…」
「そうかな?」
「うん♪」
ニッコリ笑って答えるとカルは照れているのか顔を赤くしていた。
可愛いなぁ♪
そう思いながら、イルカの泳ぐ水槽へと目をやる。
「やっぱり、イルカ綺麗だなぁ」
「イルカ、可愛いよね」
「うんっ」
そんな他愛のない話をしながら、多分、その後イルカの泳ぐ水槽の前で30分はいたと思う。


