「でも、大丈夫かよ? こんな、人多そうなとこ行って」
突然、意味のわからないことを言い出したお兄ちゃん。
「へーき。問題なし♪」
それに、しっかりと答える璃鶴。
いったい、何のことなんだろう?
気になる……!!
「どうかしたか、凛々?」
「えっとぉ……」
私が言葉をにごすと、璃鶴が何かを察したようで、疑問に答えてくれた。
「僕、ヴァンパイアなのー。凛々ちゃん達は魔法使いでしょ? で、凛々ちゃんのお兄ちゃんなりの心配を僕にしてくれたわけ! おーけー?」
いまいち、よくわかってなかったけど頷いた。
たぶん…私達が魔法使いであるように、璃鶴はヴァンパイアって言いたいんだよね、きっと…
「ヴァンパイアなんて、珍しいね! 私、初めて聞いたよぉ」
「あ…そ、そうだよね」
璃鶴は何だかかなしそうな顔をして俯いた。
なんか、まずいこと言ったかなぁー?


