俺達はなんとか学校につくと、
真っ先に保健室へと向かった。
今の二人の格好は非常に酷かった。
ここまで来るのに、彼女は後ろで
ブツブツ文句を言っていた。
「なんて奴だ」「お前みたいな奴は
初めて見るぞ」「自分勝手だ」
とか、まぁ他にももっとすごい
言われようだった気がする。
ガラガラガラ
保健室のドアを開けると
一人の男性教員がコーヒーを
飲んでいた。
「拓海さ~ん、着替え貸して~。
女の子用のもね!!」
「ゲホッ!!…なんだお前等、その格好。」
拓海さんは俺達を見るなりさっき
飲んでいたコーヒーでむせた。
この人は、荒井拓海さん。
俺の親友の桜木哲也のお姉さんの
旦那で、一応ここの保険医をしている。
そういう訳で、いろいろと面倒を
見てくれるのだ。