そんな俺を怪訝そうに見ながら、
「何よ。」
と言う彼女は、今までに見たこと
ないくらい可愛いかった。
「あんちゃんもずぶ濡れッ」
俺は笑いながら言った。
そんな俺を彼女はとてもびっくり
したように見ていたんだ。
「あ~あ、学校行く前に二人とも
ずぶ濡れって。………ぁあッ!!!!」
俺はやっとのことで学校の存在を
思いだし、思わず彼女の手を掴んで
走り出していた。
「ッ!!ちょッ
何のマネだッ!!」
彼女は手を引かれながら俺に
怒鳴りつけた。
しかし、俺の頭の中はそれどころじゃ
なく、遅刻のことでいっぱいだった。


