今日もまた、変わらぬ1日が始まる
と思っていた。
しかし今、俺はかなり焦っていた。
昨日から病院に泊まり掛けだった
父さんは、まだ帰っていない。
つまり俺を起こしてくれる人は誰も
いなかったわけだ。
しかも、外から聞こえる雨音は
俺をさらに焦らして行く。
遅刻ぐらいいいじゃないかと
思いもするが、それが父さんに
バレた時に酷い目に遇うのはこの
俺なのだ。
俺はいつものパンを加え、傘も
もたずに家を出た。
走りながら雨を振り切っていく。
俺はいつもの道をやめ、近道が
できる細い路地に入った。
その選択が運命の別れ道だったと
後々わかることになる。