そんな俺らのやり取りを見て唖然と
していたヤマちゃんが、ついに
とめに入った。
「お前等いい加減にしろ。
成宮も、そんなにむきになるなよ。
それから岸本、もういいから席つけ。
ああ~と、成宮の隣空いてるな。」
ヤマちゃんは俺の隣の空席を
指さして、彼女に行くように言った。
彼女は何も言うことなく俺の隣に
座った。
何か言われると思い構えていたが、
俺のほうを見向きもしなかった。
その日から、彼女が誰かと話している
姿を見ることはなかった。
俺も勿論話しかけるつもりもなく、
今までとなんら変わらない日常に
戻っていた。
そして、その日常に終止符を
打つことになるはもうすぐのこと。
彼女が俺の人生に欠かせない存在と
なっていくなんて、今はまだ誰も
知らない。