2階まで行くと、哲也は一番手前の
クラスに入って行った。
2Aかぁ~。
感想なんてそれだけだった。
どのクラスになろうが、あまり
興味がなかった。
どのクラスになろうと、馴染める
自信はあったし、学年でも結構
知名度の高い俺は男女共に好かれて
いた。
しかし、数分後にこの自信を
砕かれることになるとは誰もが
思いもしなかっただろう。
教室に入ると、すぐに声がかかる。
「裕おっはー」
「裕くんおはよう~」
そんな声に軽く返事を返しながら
窓際の一番後ろの席に座った。
ちなみに俺の前には哲也が座っている。
この席は俺達が1年の頃から誰にも
譲ったことのない定位置だ。
それは例え教室が変わっても
変わることのない二人の暗黙の
了解みたいなものだった。


