それからしばらくたったある日のこと、
俺はいつも通り病院に来ていた。





しかし、いつもと違うことが
ひとつだけあった。




それは、今現在俺の右手の中に
あんパンが握られているという
ことだ。




こんな状況になった理由はというと、
数分前にさかのぼる。






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俺は母ちゃんがいる病室に向かうため、
旧病棟から新病棟に繋ぐ廊下を
ひたすら歩いていた。







その時、数メートル先に
ザワザワと人の群れが出来ている
のを発見した。



なるべく関わりたくわなかった
俺は、その群れを避けて通る
ことにした。







しかし、それはこの騒ぎの原因
でもあった、あのあんパン少女
によって遮られたのだった。