俺と君が出会ったのは今から
6年前のこと。




この日は夏でも一番といっても
いいほどの猛暑だった。



そして俺にとって、最も最悪で
最高の日となることをこの頃の
俺にはまだ分かるはずもない。




――――――――



……ジリジリッミーンミーンッ


ジリジリッミーンミーンッ





暑い…
暑すぎる…




「母ちゃんエアコン付けて~」




俺は小学校が夏休みに入ってから
毎日のように言ってきた一言を、
今日も変わらず母ちゃんに言った。




それはここ1週間続いてきた
猛暑を知っていれば当たり前
でもあった。



そして母ちゃんはいつものように
エアコンを付けてくれる。



はずだったんだ。