東側のシャッターを後回しにして、部員たちの姿が見えなくなった瞬間に行動を開始したところで、結果はほとんど変わらないだろう。
西校舎を通って北校舎へ戻ってくる前に、ナオとヨリコが人を呼びに階段を駆け下りて来るに違いない。
つまり、一人になるチャンスはあったものの、コウキには、出入り口の封鎖をすることはできないのだ。
彼にできたのはせいぜい、東側渡り廊下のシャッターを操作することくらいだろう。
シュンが言う。
「……でも、逆に考えれば、東側のシャッターを降ろせるのは、コウキくらいしかいないはずだろ」
「そんなの、簡単なことじゃないですか」
マサトが返すと、ナオが、目を見開いた。
彼も、ある可能性に気付いていたのだろう。
決定的な言葉から、事実から逃げるように、後ずさる。
しかしマサトは、なんの躊躇いもなく、言った。
「俺たちをここに閉じ込めた人間は、一人じゃないってことですよ」


