ONLOOKER Ⅳ


 ※

「じゃ、俺からいきましょっか。言い出しっぺだし」

マサトが言った。
彼は今年の春の新入部員で、映研部に入りたくて悠綺高校に来たと言った自己紹介が印象的だった少年だ。
しかしその言葉とは裏腹に、さほど熱心に活動している様子もなければ、そもそもなにかに夢中になることがあるのかも疑問なほど、感情の読めない性格をしていた。
協調性はあるが、情熱はないように見える。
ただカメラの腕はなかなかのもので、母親が雑誌の編集者、父親がフリーのカメラマンという経歴を聞いて、納得した。

「俺はだいたいナオと一緒でしたよ。主役で出番多いし」
「僕もほとんど一緒にいたかな」
「ナツ先輩、監督ですからね」