暇を持て余して始まった楽屋トークは、いつのまにか、『素人三人がもし正反対のキャラに変身するなら』という話題になっている。
と、なれば当然、残る彼にも矛先が向くわけで。

「……積極的、自発的」
「話し上手」
「超人当たり良し」
「物腰柔らか」
「鼻にかけない」
「すっげ優しい」

一瞬の沈黙が降りたあと、聖がぽつりと言った。

「……表の夏生じゃん」

スタンバイおねがいしまーす!という声がかかるまで、それぞれが心の中で考えていたのは、ほとんど似たようなことだった。

(……まさか……映研……!?)