「疑うことを知らないっていうのはさ、無知ってことだよ」 「直姫は、何を知りすぎたんだろうね」 その言葉に、直姫は思わず友人の顔を見た。 真琴はその視線に、しれっと小首を傾げて見せる。 甘く見ていたかもしれない、と、小さく苦笑した。 何も知らない箱入り育ちみたいな雰囲気を醸しておいて、真琴は意外と大人だ。 「ねぇ、直姫」 「……なに」 「僕、友達にそんなふうに怒られたの、初めてだよ」 「……自分だって、人を怒ったの初めてです」 少し唇を尖らせて言うと、真琴は柔らかく笑った。 十一話・終