ONLOOKER Ⅳ




「疑うことを知らないっていうのはさ、無知ってことだよ」
「直姫は、何を知りすぎたんだろうね」

その言葉に、直姫は思わず友人の顔を見た。
真琴はその視線に、しれっと小首を傾げて見せる。
甘く見ていたかもしれない、と、小さく苦笑した。
何も知らない箱入り育ちみたいな雰囲気を醸しておいて、真琴は意外と大人だ。

「ねぇ、直姫」
「……なに」
「僕、友達にそんなふうに怒られたの、初めてだよ」
「……自分だって、人を怒ったの初めてです」

少し唇を尖らせて言うと、真琴は柔らかく笑った。





十一話・終