直姫は、なにも言わずに、視線と呼吸だけで相槌を打っていた。 まさかこんなふうに人の過去にまで首を突っ込むことになるなんて、悠綺高校へ入学する前の自分なら、想像もしなかっただろう。 そう考えて、直姫はぽそりと言った。 「あぁ……そーか」 「え? なに?」 「いや……真琴が自分と違うのは、そこかなって」 「そこって?」 「周りを信じたか、信じなかったかの違い」 「……そっか」 きっと二人にしかわからない会話だっただろうが、それで構わなかった。