ONLOOKER Ⅳ




「なんだ光村、佐野さんと友達だったなら早く言ってくれれば」
「友達……っていうか」
「でも光村くん家、転勤族だったから、二年くらいしかいなくて……懐かしいな、元気だった?」
「う、うん、まぁ。佐野も元気そうでよかった」

数年ぶりに会った友達同士、というには、どこか妙な雰囲気の二人だった。
真琴は少し遠慮がちに声をかけているし、光村は相変わらず俯きがちで、仲の良かった友人を懐かしむようにも、とくに関わりのなかったようにも見えない。
それに気付かないのは田畑だけで、彼はせっかくのチャンスを後輩に横取りされて、苦々しくつまらなそうに、二人の会話を眺めている。

「ドラマとか映画とか、見てるよ」
「ありがとう。なんか恥ずかしいな」
「そーゆー、もん? ……頑張れよ。応援してるから」
「うん」

再会を喜ぶわけでも、連絡先を交換したりするわけでもなく、ただ淡々と言葉を交わす。
なにかあったんだろう、というのは、端から見ていても十分にわかった。
二人の会話が終わったらしいことを察して、田畑が再び真琴に話しかけようと、口を開く。
しかし、それは結局、叶わなかった。