ONLOOKER Ⅳ




「お疲れさまでした」

振り向くと、暇を持て余した金持ち集団、もとい、我らが悠綺高校の映画研究部が、ぞろぞろと向かってくるところだった。
いかにも文化部、というふうの木元部長が、にこやかに口を開く。
これが撮影に入ると、生徒会役員にも容赦なく檄を飛ばす鬼監督だとは、他の誰にもわからないだろう。

「みなさん、お揃い……では、ないようですね」
「えぇ、用事が入ったみたいで。すみません」
「お仕事なんでしょう。仕方がないですよ、こちらこそお忙しいところ」

木元と夏生の挨拶が済むと、無口なカメラマンの有川が、無言で手を差し出す。
見たところは野球部のキャッチャーか剣道部の主将といった風貌だが、カメラを担いでの全力疾走を数回連続でやってのける、タフな人物だ。
そしておそらく今日もっとも生徒会に衝撃を与えたであろう彼女は、朗らかに、いけしゃあしゃあと、優雅に、にっこりと笑った。
夏生や紅たちが映研部の面々と挨拶を交わしている横で、こっそりと言う。