「いいよな、金持ち学校は。本職まで雇えて」
「見たかよ? ほら、沖谷准乃介。そこのテーブルにいるデカイのそうじゃん」
「うわほんとだ、脚なっげー……えぇ、なんだよ、Inoいないじゃん」
「どうせ機材でも何でも金にもの言わせて良いの使ってんだろうな」
「優勝して当然じゃん。出来レースも一緒じゃねぇかよ」
恋宵がこの場にいなくてよかった、と直姫は思った。
紅が嫌がらせを受けた時、犯人だった女子生徒の言い草に、紅本人よりもムキになって怒っていたのを思い出したのだ。
あんな妬み僻みを聞けば、彼女はきっとまた泣きそうな顔で抗議するのだろう。
夏生も同じことを思っていたのか、鼻で小さく溜め息を吐く。
そんな二人の間に、准乃介がキリンのように首をもたげて、入ってきた。
「感じわるーい」


