早速目を輝かせて料理を選ぶ真琴の背後で、剣呑な声が聞こえて、直姫は振り返った。
「なにこれ? 何のパーティー? 映画みてぇ、超セレブ」
「この映画祭、悠綺高校が寄付してんだろ。だからこんなに豪華なんだよ」
「悠綺? あぁ……」
少し離れたテーブルで、数人の学生が会話をしている。
見たことのない濃紺の詰襟だ。
この映画祭に作品を出品した学校の生徒であるはずだが、なにしろ今日だけで一時間前後の映画を十数作観ている。
どの作品に出てきた制服かなんて、覚えていない。
嬉しそうに料理をぱくつく真琴には聞こえていないようだが、そのとても好意的なものとは思えない声色に、直姫は顔を戻した。
すると、横目で同じ方を見ていた夏生と目が合う。
彼は一度小首を傾げて見せると、興味を失ったように視線を外す。
だが、注意はしっかり彼らの方へ向いているのだろう。


