途端に興味をなくしたように、准乃介などは「なぁんだ」と口に出して体勢を戻すと、居吹が舌打ちをして言う。

「これ、出演者は全員学校関係者、ってのがこの映画祭の規定なんだろ。悠綺高校にこんなのがいると思われていいのかって話だよ」
「あぁ、そういうことー。……てゆうか、自分でこんなのとか言っちゃう?」
「でも確かに、悠綺高校のプロモーションのためにって言われて、映研部からの依頼を受けたはずだけど」

夏生がそう言って、遠くの座席に視線を巡らせる。
制作者である各校の生徒や顧問たちは、観覧席からは少し離れたところに座っているはずだ。
悠綺高校の黒いブレザーを探すが、暗色の制服姿ばかりなので、どれがどこの学校だか全くわからない。
直姫もつられて同じ方向に視線をやったが、彼女の夜更かしにも負けない視力でも、見つけられなかった。

「これでプロモーションになんてなるんですかね?」
「さぁな……敷地の広さくらいは理解してもらえるんじゃないか?」
「でもあの感じじゃあ、広すぎて大変そうだと思われちゃいそうです」
「あ、ねぇちょっと」