それから、愁ちゃんに家に送ってもらう。すっかり暗くなった辺り、愁ちゃんの顔が電灯に照らされる。

「愁ちゃん、送ってくれてありがとう」

「うん」
「じゃあ、また明日」
「ああ、また明日学校で」
「おやすみ」
「おやすみ」

そういい私は玄関に向かう。
玄関のドアノブに手をかければふと、愁ちゃんに言いたいことを思い出した。振り向いてみれば愁ちゃんは居なかった、

「…、いつもなら最後まで見送ってくれるのにな」

なんて呟きながらも私は大して気にせずに玄関のドアを開けて元気良く「ただいま!!」と叫んだ。