「ちょっと、待ってろ」

「えっ」

だが柚に向けられる、男の視線に気が付き腰に手を回し、チケットを買った。

「行くぞ」

「うん」

園内に入った。

「どれから、回るの?」

「柚が乗りたいのから、回ろう」

俺は小さい時から、遊園地など来たことがない。

親の身体の事もあり、言わなかったからな。

情けねぇ姿も見せてしまった。