『 12月24日、繭の24歳の誕生日に






       ────────────会おうか 』




掠れたその声に、
うん、うん、と何度も頷いて




風邪ひくから、と
それからしばらくして
電話は切れた。




切った後に真っ暗な海を
携帯に残して、
私は思い出の海を後にした。