君がここに居たこと~初恋の奇跡~





「 水の中はきっと静かだよ。
  ここは別だけどきっと
  縛るものなんか何もないし
  自由に広いところに居られるんだよ 」




それって、幸せじゃない?




人がいないことをいいことに
気付けばあきに語りかけるように
なっていて、恥ずかしくなった。




「 ・・・あ、あき? 」




・・・引いた?
っていうかまた笑われる?




言ってしまったことを後悔しながら
だけどもう言ってしまったし、と
半ば諦めてきゅっ、と携帯を握る
手に力が入った。









『 ─────────・・そうだね 』


「 ・・・あき? 」


『 海の中にも神様っているかな。
  それなら俺は繭と一緒に
  魚になりたいと思うよ 』