何か、あったんだろうか。




それなら、私の中に
残っているはずなのに。




「 ・・・・・あ、き 」




覚えなんてないのに
どうしてあきの名前を
呼んでいるんだろう。




そして、




───────────ヴヴヴ...




どうしてこんなにタイミングよく
あきからの電話がくるんだろう。




「 ・・・・あき 」




分からない。
何も、何も分からない。




だけどきっと私はあきを知っていて
だけど知らなくて。