神様は意地悪だと思った。
だけどあの瞬間、その
意地悪な神様に願った。




” 繭が目にしたものを
忘れさせてほしい。




いっそのこと、
全ての記憶を。”と。




神様は優しかった。
奪った記憶を全て
俺の中に預けてくれた。




返してもいいよ、と
言っている気がした。




これから先、きっと
重荷にしかならない、
傷つけるものでしか
残れない記憶。




忘れて欲しい、悲しいことを。
思い出して欲しい、俺のこと。