「 あき・・・ 」




街を飾る綺麗な電飾は
クリスマス仕様で色鮮やかだった。
約束の時間は9時。




そして、今はその15分前。




『 繭、見てる? 』


「 うん、見てるよ 」


『 綺麗だね 』




随分早く待ち合わせ場所に
着いてしまった私は、
その場から動くこともしないで
ただじっとあきを待っていた。




けど、あきからの電話で
”俺もそっちに行くから”と
明るいところに居て、と言われて
足を運んだのがここだった。




「 ほんとに綺麗・・・ 」


『 ・・・ねぇ、繭 』


「 ん? 」


『 前は繭がここに来たいって
 クリスマス当日に俺に言ったんだよ 』




子どもみたいにはしゃぐ私は
そうなの?と首を傾げて
だけどもうすぐあきに会えるなら
そのときに聞きたいとあきに言った。