そのおまじないは
願った言葉とその人が
受話器越しに言った言葉が
合っていればいいものなのだと
あきは笑って教えてくれた。




『 どうだった? 』




不安なんて吹き飛んで
悪夢なんて忘れ去って




『 繭? 』




からかうようなその声に
”嬉しかった”なんて
絶対に言いたくなくて




「 ・・・・合ってた 」




それだけ言って、
私は2ヶ月ぶりの
清々しい朝を迎えた。