俺は言葉と共に頭を下げ懇願した。その反応を見て徹貴さんは俺に顔を上げるよう言う。
「いつ発つんだ?」
「明日です。」
俺は徹貴さんから視線を逸らさず答える。
「そうか、発つ時は誰にも気づかれないようにしてくれ。皆、慕っているのだから見つかれば別れが惜しくなるだけだ。朝姿が見えなくなれば直ぐに分かって騒ぎになる。だから明日発った後皆に話さなければならなくなるが良いか?」
俺は返事で肯定を表した。
そしてその日、家に戻って隠しておいた食料達を2人にバレないように鞄へ詰め込んだ。2人が声を掛けてくる度に荷物を端へやり何事もなかったかのように狸寝入りして見せたり、机に向かって考え事をする素振りを見せたり荷物に気付かせないように働きかける。返事もいつも通り、目もちゃんと合わせて平常を装った。そして荷物を纏め終えると部屋の出入り口に一番近い隅に置き、2人もなかなか目のいかない位置へ寄せた。それからも何度か顔を出したが気付いた様子はなかった。
「いつ発つんだ?」
「明日です。」
俺は徹貴さんから視線を逸らさず答える。
「そうか、発つ時は誰にも気づかれないようにしてくれ。皆、慕っているのだから見つかれば別れが惜しくなるだけだ。朝姿が見えなくなれば直ぐに分かって騒ぎになる。だから明日発った後皆に話さなければならなくなるが良いか?」
俺は返事で肯定を表した。
そしてその日、家に戻って隠しておいた食料達を2人にバレないように鞄へ詰め込んだ。2人が声を掛けてくる度に荷物を端へやり何事もなかったかのように狸寝入りして見せたり、机に向かって考え事をする素振りを見せたり荷物に気付かせないように働きかける。返事もいつも通り、目もちゃんと合わせて平常を装った。そして荷物を纏め終えると部屋の出入り口に一番近い隅に置き、2人もなかなか目のいかない位置へ寄せた。それからも何度か顔を出したが気付いた様子はなかった。


