場面は再びカエンに戻る


「そうだ、『創術』は
術の中で唯一
自らで習得できる魔術だ
てっとり早く言えば
金属操作・・・だな」


右手に魔力を込め
そこに小さな鉄塊を乗せる。

光とともにその形状を
変化させていく鉄塊。

みるみる内に
ルシファーの手には
元の大きさからは
想像もつかない様な
長槍が握られていた。


「これが『創術』だ
一般に『錬金術』とも
呼ばれているが・・・
天使と人間だけに
許された力だ」


槍を溶岩の中に
投げ捨てるルシファー。


「少しでも
金属の破片があれば
そこから大量の金属を
精製できる。
だが・・・一度錬金に
使った金属からは
二度と精製する事はできん
極稀に無限力と言う
何度でも
精製する事ができる
特異な力を持つ者も
現れるそうだが・・・」


眠気という名の悪魔が
何度もカエンを襲ったが
斬りつけられたくない
一心で最後まで
話を聞くコトができた。


「つまりこの術を覚えれば
腰から刀を抜き放つ
必要がないワケだ」


ルシファーは立ち上がり
カエンを見下ろす。

体格はどうしても
優男にしか見えないのに
その腕力、威圧感
全てが強い・・・

普通でも身長が高いのに
そのコトがさらに彼を
大きく見せているようだった。


「修行、開始だ」