「みんな・・・
俺が弱いばっかりに
みんなを危険な目に
少しでも強くならなきゃ」


うつむき言葉を濁す。


「俺らはそんなコト
望んじゃいねーって
前にも言ったろ?」


「たまには
頼ってくれても
いいんじゃないか?」


「一人で背負い込んじゃ
ダメだよ、仲間でしょ?」


「だから、ね?
みんなで戦おうよ!!」


己の間違いに
ようやく気づくカエン。

(俺はそんなに
おせっかいな性格じゃ
ないだろうが?
いつもの俺は、俺は・・・)


心は決まった・・・


仲間のため、自分のため


戦うコトは無意味だった


恐ろしい強敵たち


その影に威圧され


自分を見失っていた


みんなと一緒に戦う・・・


それが大切なコトだった


もう一人じゃない


もう迷いはない・・・


迷う事など一つもない。


「とりあえず・・・
てきとーに行くぞ、みんな」


にっこり微笑む五人。

仲間全てを包み込む
カエンの不思議なダルさ。

切羽詰まって
それが足りないコトに
気がついていなかったのだ。

光が照らすその先に
さらなる高みを目指し
五人は別々の道を
歩いていった・・・。