ミストが走りを止める。


「私たちはカエン様に
用があるのです
アナタは黙っていなさい」


そう言うと
暗闇から4人の
魔族が姿を現す。


「どけ・・・
お前らに構ってる
ヒマはないんだ」


カエンが吼える。


「なら力ずくで
やってはどうで・・・!?」


眼前にはカエンが
刀を抜きながら
斬りつける姿が現れた。


「は、はや・・・」


ドサッ


光となり消える女。
それを見ても
顔色一つ変えない3人。


「今の俺は虫の居どころが
悪いんだ・・・
無傷で帰れると思うなよ」


その鋭い眼光は
刀より切れ味が
あるように見えた。


「アンタは俺らを
倒せないよ・・・」


1人が呟く。


「一人がやられている
間にその女を消すからね」


嫌味な笑いを浮かべて
付け足す男。


「・・・ッ!?」


気づいたように
ミストを振り返るカエン。


「心配しないで!!
私だって、戦えるんだから」


ミストが強くカエンを
見つめ返す。


「・・・」


暫くの沈黙の後。


「仕方ないな・・・」


右手を地面に向け
左手を添える。


【黒焔】


うねる炎が砂塵を
巻き上げる。


「ゴホッ、ゴホッ
逃げられたのか・・・
まぁいい、スグに追いつく」


カエンたちは
無事に森を
抜け出せるのか??