怒りを顕にして
詰め寄る左魂。

今まで様子を見ていた
カエンが顔色を変える。


「おい、アンタ・・・
ヒスイの事
何か知ってるようだな
教えてもらおうか!!」


キッ!!と睨み付けるカエン。

その瞳には、
殺意の念が込められていた。


「へっ、貴様が
俺たちに勝てたらな!!
おい皆、全員でかかるぞ」


そう言うやいなや
後ろから二人の魔族が
飛び出してきた。


「四人の魔族に勝てるワケ
ねぇだろうが!!
人間風情が!!!」


これで五人、どうやら
もう隠れている者は
いないようだ。


「俺一人で行く
手ェ出すなよ」


「はいはい、カエンは
昔から一つの事に
のめり込むと
手がつけられないからね」


はぁ〜、と溜め息をついて
ミストは一歩下がる。

次の瞬間、カエンは
攻撃を開始する。
左魂たちは
目の前から敵が消えた事に
気づくのに5秒かかった。

それは、カエンには
十分過ぎる時間だった。

刹那、両手の掌に
炎を宿したカエンは
後から出てきた二人を
片手ずつで吹き飛ばす。

そして女の首に当て身をし
気絶させた後

左魂に向け左手をかざす。


【黒焔】
黒ずんだ炎が
悪魔の様に左魂を襲う。


「ぎいゃぁぁぁぁ!!」