振り返ると
地味な黒バンダナに
似合わない長髪、
タンクトップを着こなし
背中には長い棒を
背負った男が立っていた。

目はバンダナに隠れ
見えないので
その風体はどこか
不気味さを醸し出している。


「わいはラセン
以後よろしゅう」


親しみやすい関西なまりと
明るいその声で
場の空気を和ませるラセン


「あんた、カエンやろ??
あのヒスイと
睨み合いしたっちゅう
噂は聞いとるで」


やっぱあの時
周りの奴等はみんな
見ていたのか・・・
仕方ないな。


「なんにせよあんたらとは
いい仲間になれそうや
どこかで会ったら
しっかり声かけてや」


そう言い残すと
大きく手を振って
不敵に戻っていくラセン。


アイツとも
戦うコトになるかも
知れないのか・・・。